ビジネスレジリエンス・マネジメント

昨年との比較やAIのトレンドなど、過去から未来を予測するシナリオだけでは、急激な環境変化に対応するためには従来の経営管理手法や組織だけでは十分ではありません。過去のデータが蓄積されているにもかかわらず、地震予知が難しいのは、地震が起こるたびに前提条件が変わり、統計的にトレンドを管理することができないからではないでしょうか。

競合との競争に消耗することを避け、独自の領域を確保するためには、環境変化を察知し、他社よりも先んじて顧客価値の変化を捉えてニッチスペースやイノベーションを開発するか、外部の環境変化から生まれたニッチな領域を活用することが、将来の経営管理において不可欠な要素となります。さらに、環境変化の影響は、自社の利益に直結するだけでなく、自社の利益を損なう可能性もあることに留意する必要があります。また、経営管理を難しくしているのは、地震と同じく、備えていても突発的に発生することもあります。さらに、ビジネス環境では、その突発的な事象がチャンスになるのか、逆にピンチを招くのかが分からないこともあります。パンデミックの経験からも分かるように、企業を破綻に追い込む一方で、最高益を上げた企業も存在する事実があります。

■ このような悩みはありませんか?

  • 計画が思い通りに進まない、変更が強いられる
  • 環境変化をある程度想定して、全社的に備えたい
  • 予期できる事象を想定して、機会とリスクを抽出したい
  • 突発的な事象に対して、有機的に動ける組織を構築したい
  • 新商品/サービスの計画前提が変更され、いつローンチすれば良いか
  • 競合から抜け出し、独占領域を創造したい
A person in a suit holding a light bulb attached to a flag

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■ ワールドゲートの考え方

永久と保証、愛ゆえの憎しみ、生ける屍など、意識的に、無意識的に、反対の意味を持つ単語を結合して使用されています。これからの経営管理でも、「リスクと機会」、「過去と未来」、「競合と独占」、「テクノロジーとグローバリゼーション」、「リーダーシップと協調主義」など、対義な解釈、領域を統合することが求められます。現在の競合領域で戦いながら、独占領域を謳歌するためにイノベーションを引き起こすことを同時進行に、さらに、DXに代表されるように生産性を高めて、人的資本を付加価値領域へ集中させるなどが挙げられます。さらに、現在のターゲットユーザー(セグメンテーション)が、未来でも同じとは限りません。つまり、現在の顧客ニーズ変化を追いかけながら、未来における顧客価値を定義していき先行的に動くことが必要です。

つまり、対義結合するべき領域に対して、経営資源の再配分を繰り返し、さらに、突発的事象に対して、ピンチなのかチャンスなのかを見極めて対応することが求められます。

ビジネスにおけるマーケット環境を広く捉え、自社の既存サプライチェーン管理では対応できない、未来のイノベーションを誘発する、さらに、機会とリスクの両方に対応できるオリジナルなバリューチェーンモデルの構築、運営管理が必要です。

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ー リスク検知の限界と適切な状況判断と対応力

リスクを検知できる体制を構築するのはもちろんですが、全てのリスク事象を検知するには限界があります。

リスク事象が発生した際、適切な状況判断を下して、対応を決定しなくてはなりません。ただし、一部の経営者が大小に関わらず、全てのリスク事象に判断することには限界があります。さらに、適切な状況判断を下しても、内部環境(社内)が対応、実行できるように、理論の理解はもちろんのこと、ダウンサイド&アップサイドの両方に対応できなければいけません。しかし、難しい面として、リスク検知できない事象に対して即応するだけでは、その場しのぎの経営になってしまい、ある一定の前提条件が変更しても対応可能な組織を導く方向性が必要です。

ー 不変な価値基準と戦略方向性の同期化

企業理念(ミッション、ビジョン、バリューなど)が、状況判断を下す際の、組織内の不変的な価値判断基準となるだけではなく、理念と戦略方向性を同期化することで、変化への対応幅を規定することにより、組織が状況判断、対応への柔軟性を持ちます。さらに、組織活動の領域を定めてリソースを集中させることにもつながります。また、企業理念においても不変な部分と変化が必要な部分を随時、見定めながら、外的環境変化にも適合させていきます。

企業理念と戦略を個別に考えている企業様に出会うことがありますが、節目の年や新たな船出、また、会社案内のために制定/見直しするものではなく、「組織人が変化に対応するための価値判断基準」とすることで、戦略方向性との融合を図り、社員がリスク事象に対して、納得して組織変更を受け入れて実行することにつながります。

ー レジリエンス・マネジメントに必要な事業計画

PDCAに代表されるような計画前提が変わらない場合には、事業計画とフレームワークの親和性が高いです。我々、日本人は、武道の型に代表されるように、型を用いることに慣れています。ただし、PDCAのP=計画の前提が変わるVUCA時代では、一つの計画とフレームワーク外の事象が頻発するため、誤った計画により実効性が乏しいプロジェクトに終わる、さらに、顧客価値とのズレが生じやすい事象が発生してしまいます。

ー 「前提は変わる」を前提とした計画

結婚式の祝辞での定番と言われる、「人生には3つの坂がある、上り坂、下り坂、まさか」

経営環境では、検知できる坂と検知できない坂、さらには、検知して見極められる坂と見極められない坂があります。

これを置き換えると、検知できるリスク事象と検知できないリスク事象に分けられ、リスク事象自体には、アップサイド、ダウンサイド、そして、見極めが困難なアップサイド&ダウンの3通りに分類することができます。

つまり、3つの計画を立て、アップサイドでもダウンサイドでも、アップサイド&ダウンでも対応できるシナリオ・プランを備えておくべきです。別々のシナリオ・プランニングだけではなく、ダウンサイド・リスクには耐え、アップサイド・リスクの場合は、一気に機会の最大化を享受できるような経営管理が必要であることを意味します。

さらに、一番重要なリスク事象は、「顧客価値の変化」です。

ー リスク事象により顧客価値も流動する

「ブラジルでバタフライが羽ばたくと、アメリカでハリケーンが起こる。」は、因果関係を示す例として用いられます。つまり、外部環境は、自社とつながっているだけではなく、顧客ともつながっている。さらに、相関関係として、「リスク事象が発生すれば、顧客価値へも影響を及ぼす。」ということです。リスク事象の変化を検知するのに万能を求めるには限界があります、ただし、顧客価値の変化を見逃せば、競合他社へ機会を与え、ダウントレンドへ自ら誘うことにつながってしまいます。

ー リスク事象に対応できる内部環境

検知できる、計画想定内のリスク事象が発生しても、全てが計画通りにいくことは、稀なケースです。組織として適切な判断を下しても実行力が伴っていなければ、絵に描いた餅になってしまいます。従いまして、社員の人材教育は必要不可欠です。状況を観察、把握して、適切な状況判断を下し実行、協業する一連の流れには、各々のトレーニングが求められます。

ー マーケティングとイノベーションの同時進行

マーケティングは既に競合他社がいる状態、さらに、現在からの延長と定義できます。一方、イノベーションは、非競合領域を未来から逆算して創出していきます。

人間は、過去からの経験から状況を推定していくのが得意と言われています。制約があれば、その制約を取り除き、前に進もうとします。従って、マーケティング領域で競合環境でのゲーム戦略に終始しやすいと言い換えることができます。現在の競合領域での消耗戦から脱するため、同時進行で、顧客価値を創出することで非競争領域を創出する、さらに寡占から独占を指向します。

■ ビジネスレジリエンス_マネジメントの策定プロセス(概要)

  • 現状把握/分析
  • リソース分析
  • 未来観
  • 未来像
  • リスクと機会:抽出と分析
  • 企業戦略
  • 事業計画:Fit & Gap Analysis
  • シナリオ
  • 非シナリオ対応モデル
  • シグナル検知
  • KSF/KGI/KPI
  • 個別バリューチェーン・モデル構築、管理

■ ワールドゲートの支援現状の利益を確保するためにも既存事業領域でのマーケティングと同時進行で、独占領域を構築するためにもイノベーションを誘発します。さらに、事前に想定したリスクと機会への対応、突発的な事象を適切に見極め、機会であれば最大化、リスクであれば被害の最小化できるバリューチェーンモデル構築、管理をサポートします。